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ラグビー日本代表・齋藤直人が世界一のSHと対峙して感じたこと「視線ひとつでプレッシャーを与えてくる」 (3ページ目)

  • 齋藤龍太郎●取材・文 text by Saito Ryutaro

【一番海外に移籍したいと思った時期】

 2024年、これまで日本を含む世界各国で数々の輝かしい結果を残してきたジョーンズHCが9年ぶりの再任を果たし、夏から並み居る強豪国と対戦してきた。

 だが、イングランド(●17−52)、ジョージア(●23−25)、イタリア(●14−42)、フィジー(●17−41)、そしてニュージーランド(●19−64)に敗れ、今回フランスにも大敗。勝利を収めた相手はカナダ(○55−28)、アメリカ(○41−24)、サモア(○49−27)の3カ国にとどまっている。

 特に強豪国との対戦の敗因のひとつであり、フランス戦でも浮き彫りにされたフィジカル面の課題が解消されないかぎり、齋藤の素早いパスと判断が不可欠な「超速ラグビー」の開花は難しい。

 だからこそ、齋藤は自身ができることに全力で取り組み、飽くなき挑戦を続けている。欧州遠征中の日本代表は11月にテストマッチ2試合(ウルグアイ戦、イングランド戦)を残しているが、それが終われば齋藤は再びトゥールーズに戻り、引き続き強度の高いコンペティションで鍛錬し続ける。

 齋藤が見据えているのは、3年後の2027年に開催される、出場すれば自身2度目となるラグビーワールドカップだ。

 昨年、フランスで開催されたラグビーワールドカップに初出場し、日本代表の全4試合に出場。そのうち2試合で先発の重責を担った齋藤にとって、プール戦敗退に終わったこの大会は悔しさしか残らなかったという。

 トゥールーズ移籍発表時の会見で齋藤は、もともと海外挑戦に強い意欲を示していたが、「(昨年の)ワールドカップ後が一番、海外に移籍したいと思った」時期だったという。

 2027年のワールドカップに出場するのはもちろんのこと、日本代表が2019年の日本大会でこじ開けたベスト8の上を行くベスト4の高みを目指すには、人並みのエフォート(努力)では足りない。自身のために、日本代表のために、齋藤は挑戦し続ける。

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