オールブラックスの「ハカ」の精神性と憧れをリーダー&チームメイトが語る 次のリーダーに推す選手とは (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

【ハカは特別な瞬間】

――ペレナラ選手は、オールブラックスが試合前に披露する「ハカ」のリーダーを務めています。改めてオールブラックスにとっての「ハカ」とはどういった存在でしょうか。

ペレナラ 僕は(ニュージーランドの先住民族の)マオリでハカに親しんで育ってきたので、ハカは僕にとってとても特別な意味があります。ハカは自分の文化を象徴するもので、それをオールブラックスとして国際舞台で披露するのはとても大切で、特別な瞬間です。

「ハカ」のリーダーを務めるペレナラ photo by Noto Sunao(a presto)「ハカ」のリーダーを務めるペレナラ photo by Noto Sunao(a presto)この記事に関連する写真を見るレイナートブラウン もちろん特別なものだね。物心ついたときからずっと「ハカ」に触れてきました。オールブラックスになるためにずっと頑張ってきたわけだけど、それは同時にオールブラックスとして「ハカ」を踊るという夢のためでもある。ニュージーランドでは、多くの人が「ハカ」を象徴だと考えています。海外に行って自分がニュージーランド出身だと言うと、多くの人が「ハカ」を口にする。ニュージーランドといえば「オールブラックス」、そして「ハカ」と言うようにね。だからオールブラックスにとって「ハカ」はとても深い繋がりがあります。

プロクター 僕もマオリなので、ティージェー(ペレナラ)と同じように、ことあるごとに「ハカ」を踊ってきた。僕らの文化の一部だからね。だから7月に初キャップを得て、初めて「ハカ」を踊ったときは本当に特別でした。

―― ペレナラ選手がプロクター選手を次の「ハカ」のリーダーに推しているという現地の記事を読みました。

ペレナラ 僕は将来的にビリーがオールブラックスの「ハカ」をリードしていくことになると思っています。現に彼は(スーパーラグビーの)ハリケーンズの「ハカ」をリードすることも多いですし。まず選手としてよいパフォーマンスを続けていることが第一だけど、それに加えて、彼は「マナ(マオリ語で日本語の徳に近い言葉)」があると思っているので、「ハカ」をリードするのに相応しい選手なんじゃないかなと思います。

プロクター 自分たちのリーダーで、ロールモデルのひとりからそんなことを聞けるなんて、とてもうれしいし光栄です。でも、まずはプレーに集中しないといけない。選手としていいパフォーマンスを見せて、結果的にそうなれたらいいです。

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