「明治愛」を胸に帝京大との大一番へ。オリンピアンWTB石田吉平には「隠し球」がある (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 帝京大に余裕を与えてしまうと、いろんなことをされてしまう。なので、ディフェンスのラインスピードを上げて80分、相手にプレッシャーをかけ続けたい。また、自分のプレーも研究されていて、相手は『石田吉平!』とフルネームで呼んで(味方同士で)動きを確認してくるので(笑)、アタックでは『隠し球』をいろいろ用意しています」

―― 帝京大では誰を警戒していますか?

「SO(スタンドオフ)高本幹也(4年/大阪桐蔭→)などを筆頭に、僕らの代の『超エリート』が帝京大に進学しました。関西の高校出身者や高校ジャパンに選ばれていた選手も多く、ほとんどが知り合いです(石田は兵庫県尼崎市出身)。

 FWは頑張ってくれると思いますが、帝京大戦では互角もしくは劣勢になるかもしれません。ただ、BKにはいいランナーが揃っていてディフェンスでも引っ張っていけるので、FWを鼓舞してチームで勝っていきたい」

―― 一方、早稲田大との対戦で楽しみにしている選手は?

「やはり『早明戦』で通算3回対戦しているWTB槇瑛人(4年/國學院久我山→)ですね。高校ジャパンでも一緒でしたし、"トイメン(向かい正面)"の相手には負けられません! また、高校時代にユース五輪でチームメイトだったSH(スクラムハーフ)小西泰聖(4年/桐蔭学園→)との対戦も楽しみです」

―― 石田選手は「FWがウリ」の明治大としては珍しいWTBのキャプテンです。

「みんなが僕のことを支えてくれているので、楽しいと感じています。昨季までの僕はあまり自分から発信するタイプではなく、円陣でも後方にいました。しかし、今季はいろんなことを話さないといけないので、個々の選手の意見を聞いて成長できていると感じています。

 春季大会中は『この練習で日本一になれるのか』『もっと言ったほうがいいのか」と、めちゃくちゃ悩みました。それを神鳥裕之監督に相談すると「自分のパフォーマンスをすることでチームを鼓舞することが大事」と言われて吹っ切れました。

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