早大は1年生コンビの活躍などで慶大に辛勝。亡き大先輩に捧げる勝利も「対応力」に課題

  • 松瀬学●文 text by Matsuse Manabu
  • photo by 齋藤龍太郎

前半6分、先制トライをあげた早大1年の佐藤健次前半6分、先制トライをあげた早大1年の佐藤健次

 早大と日本ラグビーの発展に尽力した日比野弘さんが天国に旅立って9日が経った。伝統のラグビー早慶戦。早大の大田尾竜彦監督は試合前、故人に思いを馳せた。

「やはり、勝たないといけないと強く思っていました」

 前日の雨がうそのように、やはり晴れた23日。黄金色のイチョウ並木そばの秩父宮ラグビー場には、コロナ禍による人数制限いっぱいの1万人余が詰めかけた。早大のゲームテーマは『チャレンジャー』だった。

 大田尾監督は試合に向けた決意の寄せ書きの模造紙の真ん中にこう、墨字でしたためた。

 『挑戦』

 3週間前、帝京大に苦杯を喫した。選手に不安や迷いが生じがちになる。大事なのは、自分たちの戦術を信じ、チームメイトを信じ、自分を信じることである。立て直しの一戦だからこそ、慶大に挑みかかる気概にこだわった。

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