ラグビー日本代表、待望の大型若手CTBが初キャップ。前主将リーチも「楽しみ!」 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • photo by AFLO

「今までやっていたCTBで勝負したい気持ちもありますが、昨季のトップリーグでWTBもやって両方経験したので、ふたつのポジションをできる引き出しになった」

 今春の日本代表合宿に招集される可能性もあったが、トップリーグのプレーオフ決勝で脳しんとうを起こし見送られた。約1カ月で復帰した時、それも前向きに捉えて「フィットネスやスピードメニューを多く取り組んできた」と語っていた。

 そして今秋、日本代表の予備軍であるNDSに名を連ねて、再び合宿に参加。ジョセフHCは中野をCTBとして評価しており、練習も常にCTBだったという。

「毎回の練習で波がないように、いいパフォーマンスをして力を出し切ることが大事。チャンスがあればどんどんチャレンジしたい」

 練習からアピールを続けた結果、BKでは唯一NDSから昇格する形で欧州ツアーメンバーに呼ばれて代表初キャップにつなげた。

 日本代表のCTBは長らく、2019年ワールドカップでも活躍した12番=中村、13番=ラファエレ・ティモシー(コベルコ神戸スティーラーズ)のコンビで定着していた。だが、中野が今回自らのポテンシャルを見せつけ、2023年ワールドカップへ名乗りを挙げた。

「外側でゲインした時、オフロードの精度やボールキープし継続するところなど、細かいところは今後修正していかないといけない」

 ポルトガル戦後、中野は反省も忘れていなかった。

「センターの競争で勝って、試合に出続けるために、毎週、毎週、成長し続けるように、1試合1試合をフォーカスしていきたい」

 中野は自身に語りかけるように、言葉に力を込めた。ポルトガルの地で初キャップを得て、大きな自信を掴んだようだ。24歳の視線は2年後に向いている。

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