2020.12.07

明大・箸本が早大戦で爆発。主将として部員に促したグラウンド内外の変化

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu
  • 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 これぞ明治スタイルか。気力充実、迷いはない。重戦車FW(フォワード)が烈しく前へ出る。BK(バックス)もスピード豊かに展開。明大が昨季の大学王者、早大を破り、関東大学対抗戦の連覇を決めた。

早大に勝利し、喜ぶ明大フィフティーン。写真中央が主将の箸本龍雅(はしもと・りゅうが)早大に勝利し、喜ぶ明大フィフティーン。写真中央が主将の箸本龍雅(はしもと・りゅうが)

◆明大主将・箸本龍雅インタビュー

 6日の秩父宮ラグビー場。34―14で試合終了。青空の下、1万余の観客の拍手に包まれ、明大の主将、ナンバー8箸本龍雅(はしもと・りゅうが)が言葉に充実感を漂わせた。

「明治スタイルというところにフォーカスして試合に挑みました。明治の強さはタテに強いラグビーだと思っています。コンタクトのところ、接点のところで勝ててこういう結果になりました」

 明大は強かった。挑みかかる気概にあふれていた。覚悟があった。「僕らはチャレンジャー」と箸本主将は何度も口にした。

 実はキックオフ直前のグラウンドでの円陣で、箸本主将は少し笑っていた。そう見えた。なぜ、と聞けば、「みんなに"ミスが怖いか"って声をかけたんですよ」と振り返った。

「だれも"怖い"って言わなかったんです。今までで一番準備してきたから。"不安要素をなくしてここに立っているから、ミスなど怖くないよね"って。グラウンドに立てることに誇りを持って、自信を持って戦おうって話をしたんです」

 そのプライドの結晶がスクラムだった。前半の中盤、SH(スクラムハーフ)飯沼蓮がインゴールにボールを運びながらも、しつこい早大にトライを阻まれた。直後の明大ボールの5mスクラム。紫紺と白のジャージーのかたまりがぐいと前に出る。刹那、左へボールを出し、FWがラックの近場でタテ、タテと突く。

 最後は188cn、107kgの箸本主将がラックの右サイドに持ち出し、早大主将のナンバー8丸尾崇真らのタックルを受けながらも、力づくで先制トライをもぎ取った。

 その3分後の前半19分、またも箸本主将が中盤のラックサイドに鋭角に走りこんで大幅ゲイン、うまくつないでWTB(ウイング)石川貴大がトライを重ねた。ゴールも決まり、14点を先取した。