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受験モード突入の浦和高校ラグビー部が、
桐蔭学園に完敗して得たもの (3ページ目)

  • 門脇 正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori photo by Sportiva


「(桐蔭学園は)めちゃめちゃ強かったですね。もう何をしてもダメなぐらい。ディフェンスは当たれば止まるんですが、そのあと、振られて振られて、何もできなくなってしまう。圧倒的な差、力を見せつけられた感じです」

 そう悔しさを口にするものの、目黒はスッキリとした表情で1月18、19日に控えている大学入試センター試験に、気持ちを切り替えようとしていた。

「大学は東北大学に行きたいんです。大学でラグビーをするかどうかは、まだ考え中です。もしかしたらやるかもしれないですけど、その前に、まずは行きたい大学に行けるように、受験に集中ですね」

 そして、花園での試合をすべて終えた選手たちのお決まりのパターン、花園ラグビー場をバックにした記念撮影が始まる。

 その記念撮影の最前列の真ん中に陣取る松永キャプテンもまた、今回、花園に出場し、桐蔭学園との試合を経験することで、ある決意を固めていた。

 それが「大学に入ってからもラグビーを続ける」ということ。

 早稲田大学に入って、名門のラグビー部の門を叩くことが、現時点での松永キャプテンの第一希望になる。

「今日負けて、こんなに悔しいことはないと思いました。大学受験も壁ですが、今日の桐蔭学園より大きな壁はないと思いました。壁があるから、やり切る気持ちや多くのことを学ばせてもらいました。桐蔭学園の健闘を祈りながら、勉強に全力を尽くしたいです」

* * *

 そのとき、松永キャプテンに近づいてくる桐蔭学園の選手が2人いた。

 浦高との試合にもフル出場していたロックの渡部創太郎(3年)と、先発出場して後半に交代したフランカーの石塚勝己(3年)。さらに、当日はリザーブだったスクラムハーフの亀井健人(3年)を加えた桐蔭学園の3人は、松永キャプテンが小さい頃からラグビーを続けてきた、同じ『ワセダクラブ』出身の仲間になる。

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