早大が劇的トライで帝京大撃破。
殊勲の斎藤主将「次のW杯は出たい」 (3ページ目)
その言葉を伝えると、斎藤は「うれしいです」と顔をくしゃくしゃにした。
斎藤は春に腰を痛めたこともあり、RWCメンバーには選ばれなかった。日本代表が躍進した試合はスタジアム観戦したほか、ほとんどの試合をテレビ観戦した。「まあ、悔しさはありました」と正直に漏らす。
「恥ずかしいですけど、本気で(RWC日本代表を)狙ってはいたんです。4年後(RWCフランス大会)、絶対、出場したい気持ちが強まりました」
とくに南アフリカ代表のSHファフ・デクラーク(172cm)、ハーシェル・ヤンチース(167cm)ら小柄な選手の活躍に刺激を受けたようで、165cm、75kgの斎藤は「サイズは言い訳にはならない。自分も努力次第で、十分(世界で)戦えるんだと思った」と言う。
「(日本代表の)みなさんが言う、"信じ続けること"がすごく大事だなと感じましたし、自分たちを信じるためにも並大抵ではない努力が必要なんだなと思いました」
仲間を信じ、己を信じ、勝利を信じる。斎藤はキャプテンとして日々、そのために鍛錬を積んでいる。パスのスキルが上がったからだろう、プレー選択の判断がより的確になっている。ナチュラルにプレーできている。
モットーが『その時その時、100%を出し切ること、出し切るために準備を怠らないこと』。謙虚さを大事にし、選手やスタッフと話をしたり、歴代の早大主将からアドバイスをもらったりもしている。
「歴代のキャプテンの方は対抗戦の間、悩むことが多いと言われていたんですけど、今のところは(悩みが)ないので、それでいいのかなって。ハハハ」
ゴールはここじゃない。目標は大学選手権の覇権奪回である。斎藤は語気を強めた。
「あくまで目標は日本一です。次は早慶戦。まずは自分たちのやるべきことを見つめ直して、その後に慶応の分析をして、準備していきたいと思います」
勝ち切れたことでチームの自信と信頼が強まったことだろう。23日の早慶戦、12月1日の早明戦、そして全国大学選手権へ。一戦一戦、一歩一歩。斎藤がリードする早大が11年ぶりの大学日本一へ、突き進んでいく。
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