2019.09.20

菊谷崇が日本代表の勝利に期待
「子どもが憧れる存在になってほしい」

  • 松瀬 学●文 text Matsuse Manabu
  • 小倉和徳●写真 photo Ogura Kazunori

レジェンドたちのRWC回顧録⑭ 2011年大会 菊谷崇(後編)

 さあ、ラグビーが日本を熱くする。ラグビーワールドカップ(RWC)日本大会が9月20日に開幕する。ラグビー関係者、とくに歴代の日本代表経験者にとって、気持ちの昂ぶりは特別だろう。2011年RWCで主将を務めた菊谷祟さんは、「日本代表を純粋に応援しています」と声を弾ませる。

日本で行なわれるラグビーW杯で応援の重要性を語った菊谷崇

「人気がすごく出ていて、うれしいですね。これで勝利という結果が出ると、さらに日本ラグビーがアジアの中、世界の中でも注目されます。そういう意味では、結果を残してくれることを祈っています」

 菊谷さんが主将を務めた2011年RWCニュージーランド大会では勝利を挙げることができなかった。「2勝」という目標を掲げながら、1分け3敗に終わった。理由は多々あろうが、チーム作りで苦労した。

 2011年3月11日、東日本大震災が起きた。福島第一原発事故への不安などで来日を躊躇するチームが出たこともあり、日本で開催予定だった4月、5月のアジア五か国対抗はすべて海外で行なわれた。また、7月のパシフィックネーションズ杯もサモア戦を除き、日本からフィジーに会場を移した。菊谷さんの述懐。

「ワールドカップまで、ほとんど海外にいて、チームとしては難しいところがありましたね。とくにメンタル的なところです。戦うためのメンタル・コンディションというか、ずっと家を離れるので……。当初のスケジュールでは、家族を呼んで、チームとして団らんする時間を持つプラニングをしていたのです。でも、ずっとラグビーということになり、ワールドカップまで常にラグビーと向き合うことになりました」

 その点、今大会の日本代表は「地の利」があろう。言葉の問題にしても、海外生活での不便を味わう必要がない。リカバリー(疲労回復)やメンタル・コンディションなど、選手には有利に働くことになる。よき準備をすることができる。