2019.06.02

苦しむサンウルブズのチームづくり。
当落線上の選手たちが感じた困惑

  • 松瀬 学●文 text Matsuse Manabu
  • 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 つらい幕切れだった。敗戦後の「ホーム最終戦セレモニー」。赤く染まったスタンドの観客からのあたたかい拍手を受け、赤色ジャージのサンウルブズの選手たちが頭を深々と下げた。大型スクリーンに文字が浮かんだ。

<2019シーズン ご声援 ありがとうございました!>

試合後、納得いくプレーができず、悔しがっていた徳永祥尭 2020年限りでのスーパーラグビー(SR)除外が決まっているサンウルブズは1日、約1万7千人が詰めかけた秩父宮ラグビー場でブランビーズ(豪州)と戦い、19-42で敗れた。これで7連敗の通算2勝12敗。参戦4年目で初めてホーム全敗に終わった。

「勝ちたかった」と、選手はみな、口をそろえた。FL(フランカー)で今季初先発した徳永祥尭(よしたか)は「ファンは、ほんとありがたいですよ」と声を絞り出した。

「”ファンのために”って選手みんな言っていました。ここで勝ちたかった。ファンサービスの時には、ファンのみなさんが”頑張れよ”と言ってくれたり、”代表として待っているから”って言ってもらったり、自分にとって、すごい味方というか、応援してくれる人がいるというのは心強いですね」

 秋のラグビーワールドカップに向けた日本代表入りを目指す選手たちにとって、この試合は2つの意味でラストチャンスだった。チームのホーム初勝利と、国内での自身の日本代表入りへのアピールである。

 27歳の徳永は80分間、フル出場した。3月に顔面を骨折し、5月の代表候補のオーストラリア遠征で実戦復帰したが、ボールキャリーの面で課題を残していた。だから、この日は積極的にボールに絡んでいった。だが、気負いからか、パスミス、ノックオンとハンドリングミスを犯した。

 アピール度は100点満点で?と酷な質問をすれば、徳永は顔をゆがめた。

「全然、ダメでした。50点ぐらいじゃないですか」

 ディフェンスではからだを張った。前に出た。よくタックルに行き、倒れてもすぐに立ち上がって、走り回った。アタックでもボールを何度も手にした。戦う気概が見えた。

「でも」と漏らした。正直な人だ。

「気持ちが先行してしまったりとか、コミュニケーションがしっかりとれなかったり…。僕の外に(ボールを)放っているのに、僕が手を出してしまったり…。もっとコミュニケーションをうまくとれていれば、ディフェンスも楽にできたかなというのはあります」