100点中1点→完全復活へ。頼れる男マフィがサンウルブズ・デビュー (4ページ目)

  • 松瀬 学●文 text Matsuse Manabu
  • 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 マフィの仲良し、プロップの"ヤンブー"こと山下裕史が振り返る。サンウルブズの合宿の最中、移動のため、タクシーに同乗した際、「おかえり」と声をかけたそうだ。

「ナキの使命はこう、チームに勢いをあたえるポジションですから。パワフルで。ありがたい存在ですね」

 やはり日本代表には必要な選手である。約8カ月ぶりの世界最高峰のスーパーラグビー復帰となったマフィ。「うれしいですね」。そうしみじみと漏らした。

「こういうチャンスをもらって、それを使いたいと思った。でも、悔しい試合だった」

 サンウルブズの先にはもちろん、日本代表を見据えているだろう。「ワールドカップは?」と聞けば、マフィは言い切った。

「とりあえず、私はサンウルブズにフォーカスします」

 囲み取材が終わると、マフィは右手で鼻を押さえ、上を向いた。試合中の顔面強打による鼻血がまた、出てきたのだった。白色のティッシュを鼻のアナに詰め、歩き出した。

 心配すると、「ダイジョウブ」と笑った。モットーが「練習も試合も100%」。感謝と責任、そしてラグビーができるヨロコビを改めて知った29歳。W杯へ、再び走り出した。

(了)

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