2015年ラグビーW杯組サバイバル。立川理道は窮地に立たされた (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 立川は、昨年12月に発表された2019年ワールドカップ日本代表第3次トレーニングスコッド38名、それに準じるNDS(ナショナル・ディペロップメント・スコッド)8名、さらに今年のサンウルブズにも呼ばれなかった。そして、2月4日からワールドカップに向けて本格的に始まった強化合宿に追加で呼ばれた選手のなかにも、立川の名前はなかった。

 2019年ワールドカップ出場に向けて、今、立川は限りなく難しいポジションに立たされている。

「ジェイミーが思っているパフォーマンスに達していないので、(それを)受け止めてやっていきたい。これからは(試合がなく)アピールすることは難しいが、何があるかわからないので、いつ(日本代表やサンウルブズに)呼ばれてもいいように準備したい」

 立川本人も厳しい状況は十分に自覚しており、振り絞るように心境を語るのが精一杯だった。

 2015年のワールドカップに出場した選手は31名。現在そのメンバーのうち、4名はコーチなどに就任して、すでにプレーしていない。2大会連続でワールドカップに出場できそうな選手はどのくらいか。

 今季のトップリーグを制した神戸製鋼でのパフォーマンスが評価されて、PR(プロップ)山下裕史とSH日和佐篤(ひわさ・あつし)が日本代表候補に復帰を果たした。そのふたりを入れても、2019年ワールドカップに出場する可能性の高い前回大会経験者は、ざっと11名くらいだろう(昨年7月に暴行事件を起こし、ニュージーランドで裁判中のNo.8アマナキ・レレィ・マフィが選ばれれば12名)。

「忍者ポーズ」「ルーティーン」で日本中にラグビーブームを巻き起こしたFB(フルバック)五郎丸歩(ヤマハ発動機)は2016年以降、一度も日本代表にメンバー入りしていない。また、昨年まで日本代表として戦っていた代表キャップ37のLO真壁伸弥(サントリー)、2015年大会でチーム最年少選手だった31キャップのWTB/FB藤田慶和(パナソニック)も最近は呼ばれておらず、置かれている状況は立川と同じと言えよう。

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