ラグビー早実で「二世」が活躍。
異色の監督のもと花園を席巻できるか

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 大阪の冬の風物詩のひとつ――高校ラグビー日本一を決める「花園」の組み合わせ抽選会が12月1日に行なわれた。

 第98回全国高校ラグビー大会は12月27日から1月7日にかけて、2019年ラグビーワールドカップのために改修された新しい東大阪市花園ラグビー場にて開幕。優勝旗「飛球の旗」をかけて戦う大会に先駆け、全国の予選を勝ち上がった51校が組み合わせ抽選会を行ない、3回戦までの対戦カードが決まった。

國學院久我山に勝って82シーズンぶりの全国大会出場を決めた早稲田実業國學院久我山に勝って82シーズンぶりの全国大会出場を決めた早稲田実業 昨年度覇者の東海大大阪仰星(大阪)、国体優勝の御所実業(ごせ/奈良)、東京王者・國學院久我山、そして67回の最多出場を誇る秋田工業(秋田)......。今年は花園を沸かせてきた強豪校が地方予選の決勝で敗れるという波乱があった。

 だが本来、実力が結果に結びつきやすいラグビーは、番狂わせが多くないスポーツである。よほどのことがないかぎり、予選を勝ち抜いて下記のシードに入った13校のいずれかが花園の頂点に輝くことになるだろう。

【Aシード】
桐蔭学園(神奈川/選抜優勝)、大阪桐蔭(大阪第1/選抜準優勝)、東福岡(福岡/国体2位&九州大会優勝)

【Bシード東】
黒沢尻工業(岩手)、茗渓学園(茨城)、流通経大柏(千葉)、日本航空石川(石川)、中部大春日丘(愛知)

【Bシード西】
常翔学園(大阪第3)、報徳学園(兵庫)、天理(奈良)、佐賀工業(佐賀)、長崎北陽台(長崎)

 ノーシードにも注目したい強豪校は多い。大阪朝鮮(大阪第2)、京都成章(京都)、尾道(広島)、石見智翠館(島根)、國學院栃木(栃木)......。そのなかでも、ラグビーファンの耳目を集めているのが、「早実」こと早稲田実業(東京第1)だ。もちろん、ジャージーは早稲田大と同じ「臙脂(えんじ)」である。

 早実は東京第1地区の決勝で、花園優勝5回を誇る國學院久我山に43-19で快勝。1月の新人大会で21-64、5月の春季大会で21-41と敗れていた高校ラグビー界の名門を破り、82シーズン(79大会)ぶり6度目の出場を決めた。

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