早稲田・岸岡が度肝を抜くビッグプレー。流れを手繰り寄せ慶應に勝利 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 また、「キックを蹴るのがあまりうまくない人のほうへ蹴った」(岸岡)プレーにより、早稲田大はさらなるチャンスを掴む。前半30分、岸岡のキックを相手WTB(ウイング)がミスしたところにプレッシャーをかけてペナルティを誘う。そのチャンスからモールを形成し、FL(フランカー)幸重天(ゆきしげ・たかし/3年)がインゴールでボールを押さえて11-0とリードを広げた。

 後半は慶應大が意地を見せて、早稲田大も押し込まれる時間帯が増える。2トライを許すものの、早稲田も少ないチャンスから加点。21−14で勝利を手にし、慶應大の優勝の芽を摘んだ。この勝利により、早稲田大は引き分けを挟んで早慶戦7連勝。通算成績を68勝20敗7分とした。

 対抗戦は残り1試合。早稲田大は12月2日に明治大との「早明戦」を残すのみとなった。5勝1敗同士の対戦で、勝利したほうが対抗戦の優勝となる(12月1日に帝京大が筑波大に勝利した場合は同時優勝)。

 早稲田大が10年ぶりの大学選手権優勝を狙うには、チームディフェンスのさらなる強化、そして岸岡のゲームコントロールが必要不可欠だろう。岸岡は「(早明戦は)優勝のかかった試合でもあり、伝統の一戦。雰囲気に負けそうになりますが、やるべきことをやって、早慶戦よりいい試合にしたい」と先を見据えた。

 昨年度、早稲田大は対抗戦2位タイ(4位扱い)で大学選手権に進出し、3回戦で東海大に18-47と競り負け早々に姿を消した。だが、今年は創部100周年――。徐々に復調の兆しを見せており、早稲田大ファンの期待は高まる。ゲームリーダーとして成長著しい10番・岸岡の存在感は増すばかりだ。

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