女子高生だらけの7人制ラグビー・セブンズ代表。若返りの狙いは?
リオ五輪から正式種目となった「セブンズ」こと7人制ラグビー。男子代表は4位に入ってメダルまであと一歩と迫ったが、女子代表は1勝するのがやっとで10位に終わった。そのような結果をふまえ、女子ラグビーセブンズ日本代表は五輪後に若返りを図り、現在は多くの10代選手が代表候補入りを果たしている。
左から、ピート染谷瑛海、田中笑伊、西村蒼空、松田凜日、平野優芽 2月24日~25日に行なわれた「沖縄セブンズ」では、セレクションマッチを経て選ばれた候補選手が日本選抜A・Bの2チームに分かれ、世界の強豪と戦った。両チームともに平均年齢は19歳。セブンズがオリンピックの正式種目に決定したのは2009年10月のことだから、現在20歳前後の選手は小中学校や高校時代から「オリンピックに出る!」という強い意志でラグビーを続けてきた者も多いだろう。
そのなかでも、セブンズ日本代表にこの1年でコンスタントに呼ばれるようになったのが、SH(スクラムハーフ)の平野優芽(ゆめ/東京・東亜学園)と、FWもBKもこなせる田中笑伊(えみ/栃木・國學院栃木)の高校3年生「ゆめ・えみ」コンビである。
昨年4月、当時17歳だったふたりは北九州で開催された国際大会「ワールドシリーズ」で代表デビューを飾った。F1のように世界を転戦しながら行なわれるこの大会で彼女らはめきめきと成長し、今年1月のシドニー大会では強豪国のイングランドを倒す快挙にも貢献している。
東京都杉並区出身の平野は祖父と父の影響により、小学1年生から杉並ラグビースクールで競技を始めた。中学時代から変幻自在のステップと強気のランで存在感を示し、高校1年時には日本最高峰の大会「太陽生命ウィメンズセブンズ2015東京大会」でMVPを獲得。当時15歳にもかかわらず、自分より体重が40kgも重い外国人相手に輝きを放ち、一気に耳目(じもく)を集める存在となった。
当時の平野は、現在よりも7~8kg軽い53kg。一見して周囲からラグビー選手だと気づかれない、ごく普通の女子高生だった。だが、平野は「もっと身体作りをしたい!」と思い、クラブチームやユース世代の強化合宿「セブンズアカデミー」で研鑽を積みつつ、高校1年時は重量挙げ部にも所属してトレーニングを重ねた。
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