ラグビー明治大、復活へ。副将・梶村祐介を中心に「前へ」走り勝つ (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 丹羽監督が言うように、梶村は報徳学園高時代から将来を嘱望された逸材だ。パナソニックのSO(スタンドオフ)山沢拓也と同様に、高校生ながらエディージャパンの合宿に練習生として招集されたこともある。

 高校3年生だった2013年の夏。梶村はU19日本代表としてアジア選手権を戦い、そのメンバーにはSO松田力也(パナソニック)、WTB松井千士(サントリー)、FB野口などがいた。だが、錚々(そうそう)たるメンツが同じピッチに立っていたなか、その試合を視察していた日本代表指揮官のエディー・ジョーンズがPR(プロップ)具智元(グ・ジウォン/ホンダ、サンウルブズ)とともに「2019年のワールドカップで日本代表としてピッチに立つべき選手」と名指ししたのは梶村だった。

 進学した明治大では1年生から試合に出場し続けているものの、松田や野口のように日本代表に招集されるほどのブレイクには至っていない。それでも、最終学年の4年生となった今、梶村は充実したラグビー生活を送っている。その要因のひとつは、明治大のHC(ヘッドコーチ)にOBの田中澄憲が招聘されたことだろう。今季から丹羽監督と二人三脚で明治大の強化にあたっている。

 今年42歳になる田中は報徳学園高から明治大に入学し、その後サントリーで活躍したSH(スクラムハーフ)だ。梶村にとっては、高校・大学ともに同じ経歴の大先輩である。15人制や7人制の日本代表としてもプレー経験を持ち、2010年度に現役を引退。2012年度からはディレクターとしてチームを支え、サントリーの優勝に貢献してきた。

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