まさかの「世界ベスト15人」入り。女子高生ラガー、津久井萌とは何者か (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 W杯での活躍を見れば、指揮官の選手を見る目は正しかったと言えよう。有水HCは「(ベスト15を受賞した実力を持っていることは)間違いないです。1年前にW杯でベスト15を取るとはイメージしていなかったですが、個人でボックスキックの練習に励むなど、自ら学んで成長していきました。手前味噌ですが、日本代表でどんどんうまくなった。賢い選手です」と語る。

 中3日で5試合を戦うW杯のハードなスケジュールのなかでも、津久井のテンポのいい球さばきは海外のSHの選手と比べても群を抜いていた。個人的に印象に残っているシーンは、予選プール3戦目となったオーストラリア戦の後半12分。自分より大きな相手を低いタックルで仕留めてボールを奪い、そのまま走って相手を引きつけてからパスを出し、最後はCTB(センター)黒木理帆のトライを演出した一連のプレーだ。津久井のラグビー理解度の高さ、スキルの正確さが光ったシーンだった。

 予選プール初戦で大敗したフランス戦では、個々のフィジカルやスピードの違いを実感したという。「自分たちはチャンスで(トライを)獲りきれないが、強いチームは獲りきれる」。世界の強豪との差を感じたと、津久井は語る。

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