フランスの仲間やファンに愛された五郎丸。この挑戦が役立つ時がくる (3ページ目)

  • 小川由紀子●文 text by Ogawa Yukiko
  • photo by Aflo



 ただ、起用法については疑問を投げかけている。地元のヴァール・マタン紙のポール・マッサボ記者はこう見ている。

「ドミンゲスからフォードにヘッドコーチが代わったときに、ゴロウマルにとっては、 サイコロの目がコロン、とひっくり返ってしまった。ドミンゲスなら確実に、彼はもっと使われていただろうからね」

 同僚のフィリップ・ベルシア記者が続ける。

「(3ヵ月ぶりの出場となった)グルノーブル戦ではゴロウマルにキッカーを任せてもよかった。そうすれば彼の自信にもつながっただろうから。そういった采配もコーチの手腕のうちだ」

 グルノーブル戦の前週のバイヨンヌ戦で12本中11本のキックを決めて82-14という記録的な大勝に貢献したピエール・ベルナールを「外すことはできない」とフォードHCは話したが、グルノーブル戦では不調で、PKを3本外し同点に追いつかれる一因となっていた。

 ブジェラル会長も五郎丸のパフォーマンス自体についてはいまのところコメントしていない。3月下旬のヴァール・マタン紙とのインタビューの中で「出場の機会が与えられなかったことは残念。しかしそれは監督の采配であるから、自分はそれを尊重する」と、自らが欲した選手の出場機会が限られたことに関して悔やみ、「ワールドカップのときのゴロウマルは自信に満ちてプレーしていたが、ここでは迷いがあるように見えた」とだけ話した。

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