五郎丸歩の活躍を難しくしたRCトゥーロンの複雑なチーム事情 (4ページ目)
「フランスリーグの試合を見ていると、チームに2、3人は太りすぎの選手がいる。英国系の選手がフランスリーグに移籍したときは、すでにいる先輩たちが助言するそうだ。『クラブ外でもフィジカルトレーニングしないとダメだ。クラブの練習だけではユルすぎるから体がダメになるぞ』と」
フォードHCの英国仕込みのトレーニング法やプレースタイルに、フランス人選手たちはまったく馴染めなかった。おまけにフランス語をまったく話せず、通訳を介してのコーチングに苛立ちも感じていた。
それを感知したダルマゾコーチはフォードHCに進言したが、イギリス人監督は己の信念を曲げることはなかったという。
そのことについてダルマゾコーチに尋ねると、渋い表情で答えてくれた。
「試合の運び方、練習の仕方などすべてにおいて違いはあるし、状況における考え方も(イングランドとフランスでは)違う。彼にはこれまで培った豊富な経験があるが、違う国に来たら、自分のやり方を浸透させようとするだけでなく、その国のチームややり方に自分の方からも合わせていくことは必要だ」
逆にオーストラリア人選手らはフォードHCのやり方を歓迎した。ドリュー・ミッチェルは母国のメディアRugby.comのインタビューで彼のやり方を支持している。
「最初ここに来た時はずいぶん強度が違うんでびっくりしたが、マイク・フォードがヘッドコーチになって、やっと『そうそうこれこれ、昔から馴染んでいたのはこのやり方だよ』ってなったよ」
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