五郎丸歩の活躍を難しくしたRCトゥーロンの複雑なチーム事情

  • 小川由紀子●文・写真 text & photo by Ogawa Yukiko

五郎丸歩TOP14挑戦を検証する 中編

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 五郎丸歩はラグビーフランスリーグTOP14第10節で初出場を果たし、続く第11節のホームゲームでは先発フル出場。自身は手応えを感じ始めていた。

 第12節アウェーのカストル・オランピック戦も先発出場したが、チームは34-17とダブルスコアで黒星。五郎丸は後半開始直後、47分までプレーした。
緊張した面持ちで試合会場に入る五郎丸歩緊張した面持ちで試合会場に入る五郎丸歩
 出場3試合目で課題も見え始めたこの試合のあと、地元のヴァール・マタン紙のポール・マッサボ記者は次のような分析をしている。

「ポジショニングが今ひとつだね。周りの選手と連動してどこに構えるかがまだ把握できていない。これはコミュニケーション不足も原因。また、アクション時の判断もワンテンポ遅い。そのタイムラグが相手選手を止め切れないなど、致命傷になることがある。相手チームによって、異なるポジショニングや状況判断が求められるから、根気よく経験を積んでいくしかないだろう」

 また、日本代表時代から五郎丸をよく知るマーク・ダルマゾコーチも課題を挙げた。

「今日の出来は先週よりもよかったが、今後は上半身を鍛える必要がある。相手は日本よりも強靭だから、同じ鍛え方では対応できない」

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