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今季全敗。スーパーラグビーで苦戦する
サンウルブズの存在意義とは? (4ページ目)

  • 向風見也●文 text by Mukai Fumiya
  • photo by Kyodo News

 タックルと運動量の光るプロップの稲垣啓太(パナソニック・ワイルドナイツ)も、「いい感じ。アジリティ(俊敏性)の部分も問題ないと思います」と応じる。
 
 サンウルブズは防御に泣いている。タックル成功率は、全18チーム中最下位の77.8%だ。

 ディフェンスコーチのベン・へリングは、体格に劣る日本にマッチしているからという理由で、国内であまり採用されていない守備システムを提唱。接点の周りに左右3人ずつタックラーが並び、そのいちばん外側の選手が鋭く接点方向へせり上がる。ぶつかり合いが生じたところへ、2番目にあたる選手が援護射撃を放つ......というわけだ。

 へリングも「グラウンド上でヒートアップしているときにコンセプトを遂行できるのかどうか」と懸念していたが、実際、飛び出したタックラーの脇の隙間をえぐられるケースが多く、まさにサンウルブズの弱点となっている。稲垣は言う。

「修正するとしたら、ディフェンスのコミュニケーション。ラックの位置から順に、1、2、3番目に立つ人がそれぞれ誰を見るのか。特に2と3の間がチグハグなんです。まずは試合に出て、感じたことを周りの人に還元できたらいいなと思います」

 いまだ未勝利だが、ティアティアヘッドコーチは選手たちの成長を認めている。次はその成果を結果として示したいところだ。今節から復帰する選手も多く、激しいポジション争いが予想される。競争を経て編成されたベストメンバーを従え、勝利をもぎ取りたい。

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