ラグビー大国ニュージーランドを撃破。日本の快挙はこうして生まれた (4ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • photo by JMPA

 その戦術は見事にハマり、日本はしっかりと敵陣でボールをキープしながら攻め込み、リズムを作り出すことに成功した。さらに調子の上がっていた後藤輝也を先発に起用すると、その期待に応える先制トライで主導権を握った。このトライで、選手たちは「いける!」と感じたという。

 後半も、ランで前に出られる坂井、オフロードパスのうまい副島を効果的に入れるなど、ゲーム運びも見事だった。そしてロスタイム、ニュージーランドの最後の猛攻に耐えた日本は、セブンズ史上に残る大金星を挙げることができたのである。

 ニュージーランド戦を終え、桑水流主将に成長したところを聞くと、「ディフェンスが粘れるようになった」と口にした。瀬川HCも、「(組織的ディフェンスについて)試行錯誤して、なかなかできたなかったものが、今日はたまたまかもしれないができました」と笑顔で答えた。

 続いて行なわれた予選プール2試合目の相手はイギリス。結果は19-21で惜敗したものの、ロスタイムにボールをしっかりと展開してトライを挙げるなど、あと一歩というところまで追い詰めた。「ニュージーランド戦で、やればできるという自信になった」(桑水流)と言うとおり、ずるずると崩されない強さを出せたのは収穫だ。

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