円盤投げ、ママさん...。多彩なサクラセブンズが金メダルに突っ走る (3ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu  齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 他競技からの"転向組"でいうと、主将の中村知春はバスケットボール、竹内亜弥はバレーボール、桑井亜乃は陸上・円盤投げの出身である。

 このほか20歳の小出深冬は左ひざの前十字じん帯の大ケガを乗り越えて、代表入りした。チーム最年長の34歳の兼松由香は8歳の愛娘を持つ"お母さん選手"。「お母さんは強いんだというところを、世界の舞台で発揮したい」と兼松は言葉に力をこめた。

「娘に選ばれたことを話したら、とても喜んでいました。でも娘とわたしの最終的な目標はリオで金メダルを獲ること。娘からは、"あと、もうちょっとがんばれ""メンバーに選ばれたことだけに満足しているのではなく、そこ(金メダル)までがんばれ"って応援してくれています」

 サクラセブンズは北海道の強化合宿を経て、ブラジルに旅立つことになる。最後のチーム内競争をしながら、ポジションを固定し、キックオフ、スクラム、ラインアウトのセットピースの安定、戦術、戦略の落とし込みを図っていく。

 チームの武器は、どうしたって「世界一のフィットネス」である。相手を運動量で凌駕しなければ、話にならない。目標はチームスタート時からぶれていない。五輪金メダルである。浅見HCが言う。

「私たちは、(2011年)アジア5位から始まったチームです。走り勝つというシンプルなラグビーでここまできました。その最初に掲げた"走り勝つ"ということを最後まで貫き通して、自信を持ってリオに飛び立ちたいと思います」

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