【ラグビー】トップリーグ4強決定。五郎丸ヤマハ、初戴冠はあるか (2ページ目)

  • 斉藤健仁●文・写真 text & photo by Saito Kenji

 1回戦では、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスのディフェンスにやや苦しんだものの、終始、優勢だったスクラムで相手を圧倒し、26-7で勝利し、準決勝へ駒を進めた。

 しかし、16日に迎える準決勝の相手は、過去5年間優勝から遠ざかっており、タイトルに飢えている難敵・東芝ブレイブルーパスだ。唯一、トップリーグ開幕以来13シーズン連続トップ4に進出している東芝は、ヤマハ発動機同様に、FWには絶大なる自信を持っている。ワールドカップの日本代表主将だったフランカー(FL)リーチ マイケルを筆頭に、プロップ(PR)三上正貴、フッカー(HO)湯原祐希、ロック(LO)大野均と日本代表メンバーが4人おり、さらに帝京大出身のルーキーLO小瀧尚弘も新人らしからぬプレーを見せている。

 また東芝は今シーズン、南アフリカの年間最優秀コーチ賞を受賞したことのあるジェームス・ストーンハウスを招聘し、組織ディフェンスの整備に努めた。1回戦では、トヨタ自動車ヴェルブリッツとのフィジカルバトルを制し、スクラムでも優位に立って、29-17で勝利し準決勝進出を決めた。

 そのため、ヤマハ発動機としては、スクラムを中心としたFWで劣勢となると、試合展開としては苦しくなってしまう。FWで互角以上に戦い、FB五郎丸のPG、そしてときにはドロップゴール(DG)で得点を重ねて、クロスゲームに持っていき、チャンスとあらば日本代表の最強のラインブレイカー、センター(CTB)マレ・サウの突破力でトライを挙げて、白星を引き寄せたい。

 五郎丸が「ヤマハ発動機は先を見られるようなチームではない。昨シーズンはトップリーグを取れなかったので、目の前の試合を戦っていきたい」と意気込んでいたように、ヤマハ発動機としては東芝戦にすべてを懸けるはずだ。もちろん、東芝も全力で挑んでくる。いずれにせよ、テストマッチのような緊張感の中でのビッグマッチになればなるほど、FB五郎丸のキックが大きくものをいう試合となろう。

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