【ラグビー】先輩リーチ マイケルの檄。東海大が王者・帝京大に挑む (2ページ目)
アタックの時、ボールを持つ選手がタックルを受ける。そのボールキャリアは踏ん張る。2人目が相手をつかみ、5歩、つまり3mほど前に出る。残されたタックラーは回って戻らなければいけない。これは疲れる。
さらに自信のラインアウトモール。まずは立つ意識。倒れてもすぐに起き上がる。一体となって前に出る意識。木村季由(ひでゆき)監督が会見後、こっそり教えてくれた。
「いつもやっているのは、全員で共通理解をすることです。その上で、FW8人であれば、16本の足がしっかり前を向いて前進していくのです」
その状況を作るため、低くなって隣とのバインドを締めたり、からだを動かしてボディーポジションを変えたりするのである。相手の弱い箇所に力を結集する。「塊」の真髄を木村監督が説明する。
「どんな状況になっても、うちは固まっているのです。揺さぶられても固まれますし、固まり直すこともできすます。やることのイメージは共有できています。頭の使い方も」
こちらの顔を見て、ちょっと笑った。
「頭って脳ミソじゃないですよ。頭の位置のことです。脳ミソの使い方はあまり共通していないですから」
冒頭の後半28分の同点トライの後、難しい位置からのゴールも決まって逆転。さらに4分後、モールを組み直して押し込み、またもタタフが右サイドを抜け出して、ダメ押しのトライを奪った。
タタフは東京・目黒学院高卒の1年生。183cm、110kg。強靭な足腰、しなやかなランで高校日本代表、ジュニア・ジャパン(20歳以下日本代表)としても活躍した。夏、靭帯をケガして、ようやく復帰した。
2 / 4