掛け持ちOKの謎。五郎丸歩が挑む「スーパーラグビー」とは? (4ページ目)

  • 斉藤健仁●文 text by Saito Kenji   photo by Kyodo News

 さらにサンウルブズと同じ南アフリカ・カンファレンス1には、エディー・ジョーンズ前日本代表ヘッドコーチが指揮を執ることになったストーマーズが入っており、早速、サンウルブズとストーマーズは、南アフリカ(4月8日)とシンガポール(5月14日)で2試合を行なう。日本を本拠とするサンウルブズのメンバーは発表されていないが、日本代表選手やトップリーグで活躍する外国人選手などが参加する(12月にはヘッドコーチや所属選手が発表される予定)。

 また、日本を本拠地とするサンウルブズと五郎丸、ツイの所属するレッズは、5月21日にブリスベンで対戦することも決まっている。

「さらにレベルの高い場所で戦ってみたい」という思いは、アスリートの本能に近いだろう。田中や堀江翔太(パナソニック、2013年、2014年にレベルズに参加)、リーチはスーパーラグビーで試合を重ね、その経験を日本代表に還元して、ワールドカップ3勝に大きく貢献した。そのことは五郎丸自身も感じていて「堀江、田中の第一人者が、日本人の可能性を示してくれたからこそ、ほかの選手もチャレンジしたいという気持ちになった。失うものは何もないのでしっかりやりたい」とレッズに挑戦した意図を明かした。

 2015年、24年間、ワールドカップで白星のなかった日本代表が、優勝2回を誇る南アフリカを倒し、3勝を挙げるという結果を残した。そして、2019年には日本でワールドカップが開催される。日本代表の多くがプレーするだろうサンウルブズがスーパーラグビーに参戦し、また海外のスーパーラグビーでプレーする選手も増えてきた。「五郎丸がレッズでプレーすることは、サンウルブズにとっては痛手だが、日本ラグビー界にとってよいこと」(ジョーンズ前日本代表HC)

 日本の選手たちがテストマッチに近い、レベルの高い試合に多く身を置くことが、2019年のワールドカップで、日本代表が今度こそベスト8に入る近道となる。

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