【ラグビーW杯】涙の3勝目! この勝利が2019年W杯へのスタート (3ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu  齋藤 龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 ジョーンズHC以下スタッフ、選手たちが3年半、目標に向かってぶれずに精進してきた結果である。日本協会も破格の資金を投入し、選手たちも長期の拘束期間に応じ、「世界一の猛練習」に耐えてきた。一貫して『ジャパン・ウェイ(日本流)』を追求してきた。

 いわば「準備の勝利」といってよい。ジャパン・ウェイとは、低さとはやさ、賢明さ、フィジカル、フィットネスを土台とし、ボールをスペースに動かして攻め続けることである。そのひたむきな姿が、ファンの心をわしづかみにした。

 間違いなく日本ラグビーが変わりつつある。ジョーンズHCはこう、言った。

「ワールドカップ前、日本は話題に上らないチームだったが、ものすごい奮闘で3勝もしてくれた。選手が日本のラグビーの印象をがらりと変えてくれた」

 人気の火付け役となった五郎丸は1次リーグトップの13PGなど、計58点を記録した。「でも」とヒーローは言うのである。

「ラグビーにはヒーローはいないと思う。このチームは、みんながヒーローです。胸を張って、帰国したいと思います」

 このラグビー人気を拡大させ、2019年日本大会につなげるためには、さらなる日本代表の成長が求められる。日本は来年から、世界最高峰のスーパーラグビーにも参戦する。選手だけでなく、運営のプロ化も促進されなければならない。

 現状維持は後退である。どう改革していくのか。ジョーンズHCは去り、新たな指揮官がやってくる。選手も一部入れ替わるであろう。むしろ、これからが日本ラグビーの正念場なのである。

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