【ラグビーW杯】日本代表を彩る「外国出身選手」の異色な経歴

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji  photo by AFLO

外国出身の「桜の戦士」はどういう経緯でメンバー入りしたのか?(前編)

 現地9月19日、ワールドカップで24年間未勝利だったラグビー日本代表が、過去2回の優勝を誇る「フィジカル強国」南アフリカ代表を34-32で倒し、世紀の大金星を挙げた。エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチから「もっとも成長した選手のひとり」と評され、日本代表の副将を4年間務め続けているFB(フルバック)五郎丸歩は、快挙の翌日にツイッターでこうつぶやいた。

「ラグビーが注目されてる今だからこそ日本代表にいる外国人選手にもスポットを。彼らは母国の代表より日本を選び日本のために戦っている最高の仲間だ。国籍は違うが日本を背負っている。これがラグビーだ。」(原文ママ)

日本代表のキャプテンを務める26歳のリーチ マイケル日本代表のキャプテンを務める26歳のリーチ マイケル このツイートは、リツイートとお気に入りを合わせてすでに3万を超えている。五郎丸はなぜ、このような内容をつぶやいたのか――。

 今大会の日本代表は、メンバー31人中10人(※)が外国出身選手であり、そのうち5人は日本国籍を取得している。ワールドカップに出場している他の国・地域を見ると、トンガ代表やサモア代表、スコットランド代表、フランス代表も選出された外国出身選手は10人を超えており、日本代表だけが他の国・地域と比べて突出して多いというわけではない。

※海外メディアではCTB(センター)/WTB(ウイング)松島幸太朗を外国出身選手としてカウントしているケースもあるが、ジンバブエ人の父と日本人の母との間に南アフリカで生まれた松島は、3歳から日本で生活し、桐蔭学園高校時代は花園でも優勝しており、日本ではカウントしない。

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