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【ラグビーW杯】スコットランドに完敗。日本の戦術は分析されていた (3ページ目)

  • 松瀬学●文 text by Matsuse Manabu
  • 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 後半だけで5トライを献上。司令塔役のスタンドオフの25歳、立川理道(クボタ)は言う。
 
「コミュニケーションが取れずに、(お互いが)かぶってしまい、オブストラクションの反則をとられた。特に後半は相手がブレイクダウンに絡んできて、スローテンポにされてしまった。インターセプトは仕方ない。相手がうまかった」
 
 日本の標榜する『アタッキング・ラグビー』の生命線は、ブレイクダウンでの早い球出しである。なぜか、南アはそこにしつこく絡んでこなかった。でも、スコットランドは違った。日本を分析した結果である。
 
 ということは、おそらく次のサモア、米国もまた、ブレイクダウンではボールに絡んでくることになるだろう。対抗策としては、ボールキャリアの質を高め、2人目、3人目の寄りを早くするしかない。さらには的確な判断、瞬発力が求められる。
 
 これで1次プールB組の決勝トーナメント進出争いは混とんとしてきた。日本の救いは、次のサモア戦まで中9日ということである。サモアは個々のフィジカルが強く、パワフルでもある。
 
 リーチ主将が「体をリフレッシュし、頭脳もリフレッシュし、いい準備をしていきたい」と言えば、ジョーンズHCは冗談口調でこう続けた。

「まだベスト8のチャンスは待ち構えている。(サモアと)殴り合って、スピードアップして、前進していく」
 
 カギは、コンディショニングである。加えてサモアの分析、意識の徹底、勝利への執着、チーム一丸......。目標の決勝トーナメント(ベスト8)進出をあきらめない。

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