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【ラグビーW杯】いざ初戦。
ジャパンがビッグ・サプライズを起こす (2ページ目)

  • 松瀬学●文 text by Matsuse Manabu 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 さらに南アには長身ロックのビクター・マットフィールドら世界クラスの強力FWが並ぶ。ブレイクダウン、コンタクトも強烈。37歳の大野はこう誓う。「相手に刺さって倒して、すぐに起き上って走って。その繰り返しを80分間、続ける」と。

 南アは密集でボールに絡み、展開をスローにしようとしてくるはずだ。だから、日本としてはフィジカル勝負を避け、テンポよくボールを散らしたい。標榜する「アタッキング・ラグビー」を実践できれば、30歳の山田章仁、22歳の松島幸太朗のウイング勢の足も冴えるだろう。勝敗のポイントは?と問うと、山田は即答した。「ウイングでしょ!」

 山田は足の付け根を痛めていたが、ここにきて復調した。戦列から離れていただけに、「周りへの感謝の気持ち、恩返しをしたいという気持ちが強まった」と打ち明ける。

 ほどよい緊張、ほどよい高揚感。初のW杯、初の南ア戦。対面(といめん)は、優勝した2007年W杯でトライ王となった南ア代表最多トライゲッターのブライアン・ハバナ。攻撃的なタイプの男である。

 山田は最近、ボールを持っていない時の動きもよくなった。「運動量で勝負」という。「どうせ対戦するなら、ビッグネームがいい。観客が多ければ多いほど、舞台が大きければ大きいほど、僕はいいパフォーマンスができるんです。彼(ハバナ)より多く、(中継の)テレビ画面のフレームの中に入りたい。そうやって、ボールに絡んでいきたい」

 山田のワクワクした顔を見ると、こちらもつい楽しくなってくる。あくまで「自然体です」と笑う。

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