【ラグビー】ヒーナン ダニエルが語る「桜のジャージ」への想い (2ページ目)

  • 斉藤健仁●文・写真 text & photo by Saito Kenji

 日本に来てからの8年間、ヒーナンはスクラムやラインアウトのセットプレイの要となる「ロック(LO)の中心選手」として、パナソニックの野武士軍団を支え続けた。その結果、トップリーグ優勝3回、日本選手権優勝4回のタイトル奪取に貢献。また、トップリーグの「ベスト15」も4度受賞している。ただ、激しいプレイの代償としてケガも多く、2007年と2011年のワールドカップでは、オーストラリア代表に選出されることは叶わなかった。

 3年前、オーストラリアの女性と結婚。ただ、「2年前くらいから日本のパスポートを取ろうと考えていた。自然なことだったし、自分の人生のためでもあった。日本はとても良い国なので、日本で生活したかった」とヒーナンは言う。もちろん、プロ選手としてラグビーのことを考えての選択だった。「日本でラグビーを続けたかったし、日本ラグビーにも貢献できるはず。将来はコーチにもなるのもいいね。また、セブンズの代表になれることも大きかった」という理由で、日本国籍取得を決断した。

 そして今年2月、アメリカ・ラスベガスで行なわれたセブンズのサーキット形式による国際大会『ワールドシリーズ』に日本代表として初招集。ラグビーキャリアとしては、ほぼ初めての7人制の試合だったという。「私にとってはすごいチャレンジ。15人制はすごくスペースがせまく感じるけど、セブンズは広い。そして、みんな速い(笑)」とやや戸惑いを見せるも、「ラインアウトやキックオフといった私の15人制の経験が、セブンズでも機能するはず。難しいけど面白い!」と興奮を隠せない。

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