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【ラグビー】大逆転勝利の筑波大。王者・帝京大にどう挑むか?

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu
  • 高見博樹●写真 photo by Takami Hiroki

「あきらめない」、これが筑波大の宝物である。残り時間は10分。点差が13点。ここから筑波大の反撃が始まった。

後半36分、筑波大・橋本(中央・白)がトライ。このあ とゴールも決まって、筑波大が17-16と逆転!後半36分、筑波大・橋本(中央・白)がトライ。このあ とゴールも決まって、筑波大が17-16と逆転!

 自陣のラックでの相手ボール奪取から敵陣に攻め込み、相手の混とんに乗じて、トライ(ゴール)を返した。6点差。「まだ5分、あるぞ」との声がFWから飛ぶ。ゲームキャプテンのフランカー水上彰太が振り返る。

「もう負ける気がしなかった。全員が明るい表情だったので、この接戦で勝てたらものすごいことになるなと思った。チームがギュッとひとつになったんです」
 
 2日のラグビーの全国大学選手権の準決勝第1試合(秩父宮ラグビー場)である。ここから、それまで東海大の重量FWにスクラムでは押されまくっていた筑波大のフロントロー陣が執念を見せた。ファンのおとそ気分を吹っ飛ばす大逆転劇である。

  相手キックオフのボールを確保して展開し、右ライン際を筑波フッカーの村川浩喜が突進する。つなぎにつないで、左に回してゴール前にラックができた。順目(※)のラックの左サイドに東海大ディフェンスが2人、逆目の右サイドには1人と手薄になった。スクラムハーフ木村貴大(たかひろ)が右サイドに持ち出し、これに反応した左プロップの橋本大吾が左腕でボールを抱えるようにして、タックラーを引きずりながらポスト下におどり込んだ。背中を右プロップの崔凌也(ちぇ・るんや)がどどっと押し込んだ。
(※)そこまでボールを展開してきた方向と同じ方向。逆目は、その反対方向

 ゴールも決まって、ついに17-16と逆転した。わずか1点差の勝利である。粘り勝ちである。殊勲の橋本が声を張り上げる。

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