【ラグビー】14年ぶりの優勝。吉田義人監督はこうして明治を復活させた (3ページ目)

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu
  • 井田新輔●撮影 photo by Ida Shinsuke

 要は普段の鍛練である。積み重ねである。とくに練習の終盤、きつくなった時、ミスを犯さずに集中してやれるかどうか。コーチングスタッフがゲームさながらの状況をつくれるかどうか。その結果、我慢比べで負けないチームができあがるのだ。

 吉田監督は今年、試合前に「練習通りにやれ」と選手に声をかけている。明治ラグビーを創った故北島忠治氏と同じ文句である。それだけ、普段の練習と選手を信頼しているということだ。

 もちろん完全復活とは「大学日本一奪回」である。まだ絶対的な強さはない。特に戻りのタックルが高い。スクラムも安定感が足りない。だから、吉田監督は言うのだ。

「波に乗っている精神的な状態を継続しつつ、技術的な修正点を加えながら、チーム力をアップしていきたい。どんな相手でも、明治のラグビーをすることだけです」

 明治のラグビー、つまり前へ。ひるまず、前へ。とことん、前へ、である。

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