おりひめジャパン、五輪を見すえて女子ハンドボール世界選手権に挑む

  • 木之下 潤●取材・文 text by Kinoshita Jun
  • 田口有史●撮影 photo by Taguchi Yukihito

 2020年の東京オリンピックでハンドボールのメイン会場となる代々木第一体育館に、キャプテン・原希美の姿はなかった。

世界選手権に挑むハンドボール女子日本代表世界選手権に挑むハンドボール女子日本代表 11月18日の練習中に右ヒザを痛め、チームを離脱したからだ。11月30日から熊本で行われる「2019女子ハンドボール世界選手権大会」は、もう目前に迫っている。その前哨戦となる「ジャパンカップ2019渋谷」(11月21日~24日)は、精神的な支柱抜きでの最終調整を余儀なくされた。

 初戦、日本はスロベニアを相手に1試合を通して(60分間)アグレッシブに戦った。

 スロベニアは世界ランキング24位。13位の日本より格下とはいえ、戦術的にとても整備された好チームだった。結果として今大会2位となったスロベニアに対し、日本は序盤から積極的なディフェンスを見せた。

 パスの動きに応じてしっかりと全員がスライドし、オフェンスのポイントになるセンター(CB)と左右45(左右45度のポジション。RB/LB)に高い位置からプレッシャーをかけた。そして、ポスト(PV)には必ず前からマークにつく形で、相手の自由を奪った。そのディフェンスに、スロベニアは思うようなオフェンスができなかった。

 しかし、5分をすぎたあたりからスロベニアは速攻を使い、日本のディフェンスに揺さぶりをかける。日本の守備陣形がそろう前に早くオフェンスを仕掛けてシュートスペースを作り、前半15分までのスコアは8-6とスロベニアがリードした。

 ただ、日本も高い集中力をもったオフェンスを続けた。

 CB大山真奈を中心にRBやLBがクロスしながら、そこにPV角南果帆が絶妙のタイミングでスロベニアのディフェンスをブロックし、シュートスペースを生み出した。そのオフェンス陣の活躍もあり、前半残り6分で逆転に成功。前半は14-13で終えた。

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