わずか3年でスーパーボウル。NFLドラ1の地味なQBはスターになれるか (2ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

「覚えている初めてのスーパーボウルは......ペイトリオッツがカロライナに勝ったときかな」

 スーパーボウルウィークの幕開けとなるメディアとのインタビューセッションで、NFL専門チャンネル「NFLネットワーク」のインタビュアーに抜擢されたワーナーの質問に対し、ゴフはそう答えた。ペイトリオッツがカロライナ・パンサーズに勝利したのは2003年シーズンの第38回大会。ラムズに勝って初めて頂点を掴んでから2年後の話だ。

 その年のスーパーボウルでもMVPに輝いたブレイディは、これまで合計4度もそのタイトルを手にしている。彼がこの大舞台で大崩れすることはないだろう。やはり、ゴフの出来がスーパーボウルの勝敗を左右することになりそうだ。

 注視すべきは、ゴフの"ディープボール"。つまり、ロングパスの精度だろう。強肩QBはNFLでも数多くいるが、ゴフはロングパスを正確に投げることができる。ロングパスは長い距離を稼ぐことができる「飛び道具」、ホームランのようなものだ。これを高い精度で遂行できるゴフは、高い打率も残しつつホームランも打てるバッターである。

 ただ、身長193cmの大柄なゴフは、自ら走って距離を稼ぐことができるアスリートタイプのQBではない。5人の攻撃ラインが作るポケットの中からパスを投じることで生きるタイプだ。

 それだけに、相手ディフェンスからプレッシャーをかけられた時のゴフはもろい。今シーズンのゴフのパサーレーティング(QBのパスの良し悪しを測る指標)は101.1で7位。だが、専門サイト『フットボール・フォーカス』によれば、プレッシャーをかけられた時のパサーレーティングは56.8まで落ちている。対して、ポケットの中からノープレッシャーでパスを投げた時の数値は117.1と高かった。

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