吉村真晴が語る「Tリーグ開幕で変わる日本卓球界の未来」 (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • 甲斐啓二郎●写真 photo by Kai Keijiro

―― Tリーグでの活躍が2020年東京五輪につながっていくという考えですか。

「僕はTリーグでの経験を2020年の東京五輪につなげていきたいと思っています。ワールドツアーは、ポイントを取らないといけないのでどうしても堅い試合になって、練習でやったことをあまり試したりできないんですよ。

 でも、Tリーグは日本のトップレベルの選手に自分のやろうとしたことをチャレンジできる。もちろん勝つために戦うんですけど、その先にある世界で勝つためにいろいろ試すことができる。それが相手に効くのか、どうなのか、常にトライできる環境というのがTリーグの強みだと思います」

―― そうなることで卓球界のレベルがさらに上がりますね。

「そうですね。今、卓球界は10代の若い選手が中心ですが、これからは選手寿命が延びるかもしれない。水谷選手は30歳になりましたけど、ずっとトップでやっていますし、引っ張ってくれています。海外では40歳近くなっても世界のトップでやっていますけど、日本は25歳から30歳ぐらいでそろそろ潮時かなって引退する選手が多いんですよ。

 でも、Tリーグができてみんな選手1本でやっていけるようになり、環境がよくなると選手寿命が延びていく。すると下の世代がもっと頑張らないといけなくなる。その相乗効果で日本の卓球のレベルが上がっていくといいかなと思いますね」

 T.T彩たまは、吉村を筆頭に日本人は岸川聖也、平野友樹、さらにティアゴ・アポロニア(ポルトガル)、チョン・ヨンスク(韓国)、ウォン・チュンティン(香港)が所属するなど多国籍軍になっている。

―― 国際色豊かなチームですね。

「いろんな国の選手がいるんで楽しいですね。先日、初めて一緒に練習をしたんですが、それぞれ国によって教え方とか技術に対する考え方とか違うんです。そういうことを、練習を通して確認したり、選手同士で話をしていくなかで吸収できるのは、ほかのチームにはないことかなって思いますし、それがうちのチームの強みかなって思います」

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