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女子ホッケー「さくらジャパン」の2人が、
オランダリーグで戦う理由 (5ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 ただし、日本のホッケー界は世界のクラブとの「パイプ」がなかった。

 転機となったのは2016年2月。オランダで行なわれた『ドラッグフリック(ペナルティーコーナーのシュート技術)』の講習会に2週間参加したことだった。このとき、日本リーグに所属するチームからは及川と永井を含む8選手がオランダに飛んだ。そして、そのときの講師のひとりが、現在オランイェ・ロートの監督を務めるトーン・シープマンだった。

 及川は帯同した通訳を通じて、シープマンに「オランダでホッケーをやりたい」という思いを伝えた。すると、2016年夏からアイントホーフェンのふたつのクラブが合併してオランイェ・ロートが発足し、そのチームの監督にシープマンが内定しているのだという。

「ちょうどタイミングのいいことに、クラブは新しく生まれ変わり、私はそこの監督になる。君たちも、うちにおいでよ」。シープマンは及川と永井を誘ってくれた。

「すごいタイミングだな」と、及川は当時を振り返る。ただ、スケジュールの面からオランダのチームに移籍することは、2016年のリオオリンピック出場をフイにすることを意味していた。それでも、及川はオランイェ・ロートに加わることを決断した。

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