宿敵・韓国もビックリ。ハンドボール「ダグルジャパン」は気迫が違う (5ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • 吉村可奈美/フォート・キシモト●撮影 photo by Yoshimura Kanami/PHOTO KISHIMOTO

 試合は、一進一退のシーソーゲームとなった。1点差内の緊張した戦いが続き、残り4秒、右サイドの渡部が身体を倒しながらシュートを突き刺し28−28の同点。日本は執念でドローに持ち込んだ。

 昨年のアジア選手権で韓国に勝っているとはいえ、そのとき相手は若手中心のメンバーだった。その前の勝利となると、27年前までさかのぼらなければならず、1987年から昨年までの対戦成績は3勝36敗2分。今回は引き分けに終わったものの、2020年に向けてダグルジャパンは上々の船出を飾ったと言っていいだろう。

 試合後、宮﨑は「このチームは絶対、強くなる」と力強く語る。

「今までのチームなら、大事な場面で『誰が(シュートを)撃つの?』とみんな遠慮していたけど、今日は最後の場面でもみんな『俺に(パスを)回せ!』でした。僕自身、日本代表に招集され、サイドにコンバートされてまだ3週間。これからですからね。センターの気持ちがわかっているので、サイドとして徳田選手らスピードのある選手たちをもっと活かせるようになれる。年齢に関係なく、チャンスをもらうことができ、ものすごくモチベーションが上がっています。僕の夢はずっとオリンピック出場でしたが、今はオリンピックで勝つことに変わりました」

 日本代表男子チームは8月1日から長期ヨーロッパ遠征を実施する。ダグル監督のパイプを最大限活用し、彼の母国でありハンドボール強豪国のアイスランドではクラブチームと数多く対戦する予定だ。そこでダグルジャパンは、日本人選手に決定的に不足している経験を重ねていく。

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