13歳・張本智和こそ、水谷隼が
「中国を倒すには必要」と熱望した才能 (4ページ目)
台から下がらずに攻め続け、やわらかいリストをいかしてあらゆる角度にボールを散らす。水谷は多彩な技術を駆使して勢いを止めようとするが、張本はことごとく対応し、憧れのメダリストを飲み込んだのだ。
潔く敗北を認めた日本のエースは試合後、ツイッターにこう書き込んだ。
「彼のためにも自分がさらに強くならないと」
それは過去に何度も苦杯をなめ、その悔しさを糧にして栄光を手にした水谷だから口にできる矜恃(きょうじ)である。
アスリートとしての成長には、技術とメンタル、そして競技に向き合う姿勢など、さまざまな要素が複雑に重なり合う。東京五輪を迎えた時、17歳になった怪物はどんなメンタルで卓球という競技に向き合っているのだろうか。その心象風景こそが、日本の卓球界の未来を映す鏡かもしれない。
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