【NFL】12-13シーズン開幕。スーパーボウルを制するのは?

  • 永塚和志●文 text Kaz Nagatsuka
  • photo by Getty Images

デンバー・ブロンコスに移籍したペイトン・マニング。新天地で完全復活なるか?デンバー・ブロンコスに移籍したペイトン・マニング。新天地で完全復活なるか?【NFL 2012-13シーズン展望】

 2012年のNFLシーズンが、間もなく幕を開ける。今年は例年以上にフレッシュで、期待感に満ちたシーズンとなりそうだ。

 その理由として最も大きいのが、リーグ屈指のクォーターバック(QB)、ペイトン・マニングの電撃移籍だろう。首の故障で昨シーズンを全休した4度のMVP受賞者が、14年間プレイしたインディアナポリス・コルツを離れ、デンバー・ブロンコスに移籍したのである。あまりにも衝撃的な発表だったため、アメリカでは「NFL史上最大のFA移籍」と報じられた。

 また、6人もの新人QBが開幕週で先発することも、NFL初の出来事である。とりわけ、マニングの後釜としてコルツに今春ドラフト全体1位指名で入団したアンドリュー・ラックと、ワシントン・レッドスキンズに全体2位で指名されたロバート・グリフィン3世は、「即座にプロでも通用する」と言われる逸材だ。ベテラン・新人ともに、今シーズンは『QB』に注目が集まっている。

「野球は投手」と例えられるように、「アメリカンフットボールはQB」と言っても過言ではない。特に近年は、NFL全体がパス偏重傾向なため、QBの優劣が顕著に勝敗へと結びついている。ひと昔前まで、一流QBの指標となる『シーズンパス=4000ヤード』を達成する選手は、ほぼ5人未満だった。しかし、2009年=10人、2010年=5人、2011年=10人と、いまやリーグの約3分の1(全32チーム)のQBが、『4000ヤード』の壁を超えている。また、パッシングチームの指標となる『20ヤード以上のパス成功数』も年々増加しており、どのチームもパスプレイの比重を高めている。よって今シーズンも、パス攻撃に秀でた、すなわち秀逸なQBのいるチームが上位を占めるだろう。

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