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【40代現役アスリートの矜持・バスケ】竹内公輔(宇都宮ブレックス)が秘める「引き際」への思いと競技へのあくなき探究心、そしてこれから (3ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

【「公輔さんが一番、見ていますね」と言われました】

 竹内に言わせれば、彼のバスケットボールへのモチベーションの高さが頂点にあったのは、競技を始めた中学生の時で、高校、大学時代も「すごく楽しかった」と振り返る。それがプロとなってプレーすることが仕事になってくるにしたがって、「どんどん熱量が下がっていったところは否めない」と語った。

 しかしそのことは、バスケットボールへの情熱がなくなったことと同義ではない。ゲームを視聴したり観戦することは「大好き」で、ほかのBリーグの試合やNBA、息子のチームの試合も積極的に観るそうだ。

 試合だけではない。宇都宮の練習が収録された映像も、くまなく確認するという。

「うちのチームでは練習も全部、ビデオで撮ってあってそれを練習後にスマホとかで見ることができるんです。まったく観ない選手もいるそうなんですけど、僕は基本、全部観ます。システム上で動画を誰が観たかがわかるので、アシスタントコーチからは『公輔さんが一番、観ていますね』と言われました。鵤(誠司)もめっちゃ観ているみたいです」

 約20年、プロの世界に身を置いてきたが、竹内の競技への関心、探究心は依然として高い様子だ。選手としての残り時間は確実に少なくなってはいるものの、引退後にバスケットボールから離れるわけではない。ユニフォームを脱いだ後は、指導者になる画を描いている。

「(コーチ)ライセンスは取りに行っています。今はC級を持っていて、この後、B級を取ろうかなと思っています」

 声がかからなければできないとは当然、承知しつつ、竹内は指導者としてもトップリーグでやってみたいという。

「中学、高校、大学などの学生カテゴリーというよりも、やるならBリーグのチームでやりたいなという気持ちですね」

 竹内がまもなくユニフォームを脱ぐような書き方をしたが、宇都宮は今シーズンも優勝を狙う位置にあり、当然、プレーに集中する。最終的な進退の判断は、シーズンが終わってから下すことになる。

●Profile
たけうち・こうすけ/1985年1月29日生まれ、大阪府出身。洛南高校(京都)―慶應義塾大学―アイシン シーホース―トヨタ自動車アルバルクー広島ドラゴンフライズ―宇都宮ブレックス。206センチ・100キロ。ポジションはフォワードセンター。二卵性双生児の弟・譲次とともに高校時代から世代を代表する選手として頭角を表し、それ以降、恵まれたサイズと幅広いシュートレンジやトランジション能力などを武器に長年にわたり活躍。2006年、日本で行なわれた世界選手権(現・ワールドカップ)をはじめ、日本代表として多くの国際舞台を経験してきた。宇都宮ブレックスでは今シーズンで10年目を迎えている。

著者プロフィール

  • 永塚和志

    永塚和志 (ながつか・かずし)

    スポーツライター。前英字紙ジャパンタイムズスポーツ記者。Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、2006年世界選手権、2019W杯等国際大会、また米NCAAトーナメントも取材。他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験もある。著書に「''近代フットボールの父'' チャック・ミルズが紡いだ糸」(ベースボール・マガジン社)があり、東京五輪で日本女子バスケ代表を銀メダルに導いたトム・ホーバスHC著「ウイニングメンタリティー コーチングとは信じること」、川崎ブレイブサンダース・篠山竜青選手 著「日々、努力。」(ともにベースボール・マガジン社)等の取材構成にも関わっている。

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