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NBA伝説の名選手:アンファニー"ペニー"・ハーダウェイ 世界中のファンを虜にした魅惑の長身ポイントガードの輝きと影 (2ページ目)

  • 秋山裕之●文 text by Akiyama Hiroyuki

【全盛期を迎え頂点に近づいたが......】

シャック(右)とペニーはリーグを代表するデュオとして名を馳せた photo by Getty Imagesシャック(右)とペニーはリーグを代表するデュオとして名を馳せた photo by Getty Images 1994-95シーズンのマジックは、イースト1位の57勝25敗(勝率69.5%)をマーク。201㎝のポイントガード(PG)は平均20.9得点、4.4リバウンド、7.2アシスト、1.7スティールを残してオールスターに初選出され、2年目ながらオールNBAファーストチームにも選ばれた。

 プレーオフでもマジックの快進撃は続き、カンファレンス準決勝では1995年3月に現役復帰したマイケル・ジョーダン率いるブルズを4勝2敗で撃破。カンファレンス決勝ではペイサーズを最終第7戦の末に倒し、球団創設わずか6年目でNBAファイナルに進出した。

 飛ぶ鳥を落とす勢いで頂上決戦へ足を踏み入れたマジックに対し、ウェスタン・カンファレンスでは第6シードのヒューストン・ロケッツが上位チームをなぎ倒す下克上を起こしてファイナルに進出。戦前の予想はマジック優勢だったが、アキーム・オラジュワン率いる前年王者に"経験の差"を見せつけられ、4連敗のスイープで敗れることに。

 ハーダウェイはこのシリーズで平均25.5得点、4.8リバウンド、8.0アシストにフィールドゴール成功率50.0%、3ポイント成功率45.8%、フリースロー成功率91.3%と、初のファイナルで堂々たる数字を残すも、のちにこう回想している。

「僕らはうぬぼれていた。彼らのことはレギュラーシーズンで倒していたし、サンアントニオ(スパーズ/ウェスト第1シード)のほうがタフなマッチアップになると見ていたんだ。それにロケッツはベテランチームだったけど、自分たちのほうが優勢だと感じていた。レギュラーシーズンとプレーオフは違うものだったんだ」

 1995年夏。ハーダウェイは、長身を駆使したポストプレーをさらに生かすべくウェイトトレーニングに励み、19ポンド(約8.6㎏)の増量に成功してトレーニングキャンプへ登場する。

 チームはシャックがケガのため1995-96シーズン序盤戦の出場が絶望的となるも、ビルドアップしたハーダウェイがトップスコアラーとなって大暴れし、シャック不在の期間を17勝5敗の好成績で乗りきる。

 シャック復帰後は再び超強力デュオを中心に白星先行で進み、今もなおフランチャイズ史上ベストとなる60勝22敗(勝率73.2%)を記録。プレーオフでも順調に勝ち上がったのだが、カンファレンス決勝で完全復活を果たしたジョーダン率いるブルズのリベンジに遭い、またもや4連敗のスイープでシーズンを終えることになった。

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