渡邊雄太、自ら「崖っぷち」を宣言。「ボロ負けしても楽しそう」だったのはなぜか (3ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by AFLO

弱い相手より強い相手が好き

 渡邊の両親によると、彼は幼少期から、弱い相手より強い相手と試合をするのが好きな子どもだったと言う。何年か前に父、英幸さんがこう話していた。

「雄太は強いところと試合するのも、すごく楽しそうでした。たとえボロ負けしても。それは私も感心していましたね。弱いところだったら自分が好きにできるのに、弱いところとの試合はあんまり好きじゃなかった。負けるのがわかっているぐらい強いところとだと、楽しそうでした」

 渡邊の向上心、そしてモチベーションの原点がわかるエピソードだ。強い相手と戦いたい。そのためにも自分もレベルの高い世界に挑みたい。そんな思いが、渡邊をNBAまで連れてきた。

 そして競争の激しいNBAという世界にいるかぎり、たとえこの先、複数年契約を得ても、渡邊は「崖っぷち」を歩き続けていく。

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