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八村塁復帰のウィザーズ、プレーオフ進出の可能性は。ファンには悩みも

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

「僕たちはプレーオフを目指しているチームなので、今後は1試合1試合が大事になってくる。しっかりとやっていきたいなと思います」

 右膝の故障から復帰した現地時間4月26日のスパーズ戦後、八村塁がそう述べたとおり、ワシントン・ウィザーズにとってプレーオフ進出は現実的な目標になった感がある。前半戦に出遅れたウィザーズだったが、シーズン終盤に急浮上。ここまでのプロセスを考えると信じられないが、八村が今季中に大舞台に立つ可能性が出てきている。
 
4月28日のレイカーズ戦で、ディフェンスをかわしてダンクを決める八村(右)4月28日のレイカーズ戦で、ディフェンスをかわしてダンクを決める八村(右) 2020-21シーズンは、ウィザーズと八村にとって波乱のシーズンだった。

 開幕直前、フランチャイズプレーヤー(長く同一のチームで活躍する選手)だったジョン・ウォールとのトレードで、ヒューストン・ロケッツからラッセル・ウェストブルックが加入し、新たなチーム作りを余儀なくされた。今年1月にはチーム内に新型コロナウイルスのクラスターが発生したため、10日間以上もシーズンが中断した。

 八村自身も、開幕前には結膜炎、シーズン途中にはリーグの定める安全衛生プロトコル、4月は左膝痛で合計13試合を欠場した。それらの経緯を振り返れば、最初の49試合で17勝32敗という厳しい成績だったことも仕方なかったのかもしれない。

 ところが――。シーズン終盤になって、ついにチーム状態が整ったウィザーズは、4月28日までの13試合で11勝と怒涛の勢いで勝ち続けている。28日にはロサンゼルス・レイカーズ戦は『ESPN』で全米生中継されたが、昨季王者を印象的な形で撃破して力を証明してみせた。

 急上昇があったとはいえ、ウィザーズは28勝34敗でイースタン・カンファレンス10位。2シーズン前までの、各カンファレンス8位までがプレーオフに進むシステムであれば、ポストシーズン進出は依然として微妙だっただろう。

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