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日本バスケの未来、富永啓生。ジコチュー批判も「それを覆したかった」

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by AFLO

「彼は本当にバスケットボールを楽しんでいるね」

 NJCAA(全米短期大学体育協会)ディビジョン1の全米トーナメントの試合を中継していたアナウンサーは、レンジャーカレッジでプレーする富永啓生(とみなが・けいせい/20歳)をそう描写した。必死のプレーも、すべて楽しそうに見える。それはまさに、富永の魅力のひとつだ。

今秋からNCAAネブラスカ大に進む富永啓生今秋からNCAAネブラスカ大に進む富永啓生 2019年、桜丘高校(愛知)卒業後に渡米した富永は先日、所属するレンジャーカレッジでの2シーズンを終えた。

 2シーズンの集大成となる全米トーナメントでは、どこからでも決められるシューターとして対戦相手に警戒された。密着ディフェンスを受けるなか、4試合で計16本の3ポイントシュートを決め、平均20.2得点でチームを牽引。大会後にはオールトーナメントチームとスポーツマンシップ賞にも選出された。

 そんな富永にとって忘れられない大会といえば、やはり桜丘高校3年の時に初出場したウインターカップだ。その年の夏のインターハイは、U18日本代表の一員としてU18アジア選手権大会に出場するために欠場。富永を欠いたチームは2回戦で敗退している。

 それだけに、ウインターカップにかける思いは強かった。日本代表として、海外でも自分の力が通用するという自信をつけはじめた頃でもあった。

「ウインターカップは本当にいい思い出だなって思いますね」

 今年1月に取材した時、富永はそう語っていた。

「U18代表があってインターハイに出られなくて、開志国際(新潟)が優勝した。ウインターカップでは3回戦で開志国際と当たるということで、『絶対に勝つぞ』と本当にめちゃめちゃ気合いが入ってやっていました。

 1カ月前ぐらいから開志国際だけの対策ばっかりして。そこを勝たないことにはあとがないから。3回戦を乗り切ったらメインコートだったんで、とりあえずメインコートに行くことが目標だと言って、開志国際を照準にやっていました」

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