折茂武彦はBリーグの今後を
憂いている。「全然盤石じゃない」 (4ページ目)
ただ最後、MVPを受賞して挨拶をした折茂は、自身は今季限りコートを去るが、これからも若い選手たちの活躍するBリーグへの変わらない応援をファンに懇願するスピーチをした。
Bリーグが始まって4年。人気は年々上がり、日本代表の強化も着実に進んでいる。以前はリーグの理事も務め、引退後もレバンガの社長業は続けると思われる折茂は、しかし、「全然盤石じゃない。まだ始まったばかり」と、日本のバスケットボール界とBリーグの今後を憂う。
オールスターゲームの前日、折茂はBリーグの社会貢献プログラムである「B. HOPE」の活動で、ほかの出場選手らとともに札幌市内の特別支援学校での活動に参加し、知的障害のある少年少女らと交流した。その際も、こういった活動なくしては「プロではない」と言った。
自身が実業団時代に経験している「ただバスケットボールだけをしていればいい」のでは、競技とクラブの発展はないと明言する。北海道に来て以来、選手の域を出たスポーツシンボルとなった折茂らしい発言だった。
ただ、今回の北海道のオールスターはやはり、「折茂のオールスター」だった。1981年にNBAのドラフトにかかった岡山恭崇氏も、「ミスターバスケットボール」佐古賢一氏も、そのほか歴代のスター選手たちも、引退時にこれだけの脚光を浴びていない。そう考えれば、折茂はやはり幸福な選手だ。
今日、今すぐ引退をするわけではないが、今回のオールスターは折茂武彦という選手の特別な存在感をあらためて感じさせるそれだった。
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