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折茂武彦はBリーグの今後を
憂いている。「全然盤石じゃない」 (3ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by Kyodo News

 折茂の最後のオールスターで、「何としても勝ちたい気持ちがあった」という竹内。終わってみれば「今年のオールスターが一番、楽しかったです」と、安堵と充実感の混じったような表情でそう語った。

 オールスターゲーム前のスキルズチャレンジに参加したベテランPG(ポイントガード)の五十嵐圭(新潟アルビレックスBB)にとっても、折茂は世界選手権時の日本代表でともに日の丸を背負った同志であり、年齢的にも「ずっと背中を追い続けてきた先輩」だった。

 五十嵐も39歳と、"大"が付くベテラン選手。10歳上の折茂が去ると、今度は自身が最年長の部類となる。

 折茂が今季限りでいなくなることについて、「少し寂しい」と五十嵐。社長を兼務する折茂とは立ち位置は違うものの、「自分自身も折茂さんの年齢までとは言わないですけど、今度は自分もそういう立場になれれば」と話した。

 MVPを獲得し、大団円で最後となるオールスターを終えた折茂。実質、自身の球宴となったことについて、ファンや関係者に何度も感謝の意を口にしたが、感傷的に見えた場面はほとんど見受けられなかった。

 メディアは得てして現金なものだから、引退のなかば花道となる折茂のオールスター出場を、あるいは感傷的なテイストで伝えようとしていたところもあったかもしれない。しかし折茂の口調に、重苦しさは一切なかった。

「いやあ、なんですかね。そんなに感じるものはないですね」

 最後のオールスターを終えて、これからリーグ戦の後半戦に入り、引退の日が近づいていくことについて問われると、淡々とそう答えた。

「たぶんね、バスケットを辞めたことがないから、わからない。だから、辞めないとわからないものだと思います。辞めた時に、その答えが見つかるものだろうと思います」

 事前から「自分ひとりのためのオールスターではない」と強調していた折茂は、富樫勇樹(千葉ジェッツふなばし)や田渡凌(横浜ビー・コルセアーズ)といった、息子ほども年齢の離れた選手のいる「現在バリバリの選手たち」とのイベントを楽しんだ。

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