来日したステフィン・カリーが八村塁に太鼓判。「次世代の指標」 (3ページ目)

  • 栗田シメイ●取材・文 text by Kurita Shimei

 さらに、八村の存在は「次の世代の指標となり得る」とカリーは続けた。

「彼の偉業はエキサイティング。彼がNBAを舞台に活躍することで、多くの人がバスケットボールを手にして、バスケットボールを通じてたくさんのことを学ぶことができる。その結果、いろんな新たな扉が開くことができる可能性がある。今後、日本やアジアの子供たちにとっての先駆者になれる。彼には子供たちが憧れるような選手になってほしいね」

ツアーに参加した高校生にアドバイスを送るカリー(写真提供:楽天)ツアーに参加した高校生にアドバイスを送るカリー(写真提供:楽天) 自らも時代の先駆者となったカリーだが、今シーズンの戦いは少し苦しいものになった。3連覇を目指したNBAファイナルでは、ケビン・デュラント、クレイ・トンプソンなどが相次いでケガで離脱するという不運が響いてトロント・ラプターズに敗退。カリー自身もレギュラーシーズン中にはケガに泣かされた。そんな今シーズンを振り返ると共に、来シーズンに向けて意気込みを語った。

「すばらしいシーズンだったが、(自身も)ケガに泣かされたことは残念だった。今は来シーズンに向けて体とマインドを回復させることに集中しているよ。今年の結果から、『ウォリアーズの時代は終わりじゃないか』という声が出ているのも知っている。だが、そのとおりにはさせないし、私たちはこれからも新しいストーリーを作っていく。それは今後もずっと続いていくことになるはずだ」

 数多の逆境を跳ね返してきたカリーの言葉は、ウォリアーズの逆襲を期待させる十分な説得力を秘めていた。

 最後には、「来年は五輪で東京に帰ってきたいね。エネルギーがどんどん高まっていることを感じる」と明かし、会場を沸かせたカリー。日本の高校生たちに勇気と希望をもたらした稀代の名手は、来シーズンのファイナル、その先の東京五輪に照準を合わせている。

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