渡邊雄太に元NBA選手がアドバイス。「昔の自分によく似ている」 (3ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by AFLO

 僕にとって、それは驚きだった。だって、僕が行っていた高校(ロサンゼルス郊外のドミンゲス高校)は全米でも常にトップチームのひとつだったし、大学バスケットボール界でもトップのプログラム(ケンタッキー大)で4年間プレーした。そういったことを考えれば、疑問に思うわけがないと思うのだけれど、それでもそういう声はあった。今では、物事は理由があって起こると思っているけれど。

 彼についても、疑っている人は間違いなくいる。でも、一番大事なのは、正しい方向に進み続けること。他の人が言うことは気にせず、努力し続けること。グリズリーズのコーチなど経験のある人たちから、できるかぎりの情報を得ること。そうすれば、彼はこの先も上達し続けるだろう」

── 彼にはどんなアドバイスをしていますか?

「彼によく言っているのは、シーズン中には波があるだろうし、いい試合と悪い試合もあるけれど、一番重要なのは、そこからどうやって上達するかを理解すること。それは経験によって身につくものだ。だから最初のうちは、彼がある種のミスをしてもプレーさせるようにしている。

 一方で、それと同時に彼を助けようともしている。コーチングスタッフは一緒に試合の映像を見てサポートしている。あとは彼に対して、常に『正しいことをやるんだ』と言い続けることも大事だ」

── グリズリーズの試合でベンチ入りしても、今はまだあまり多くのプレータイムを得ることができていません。ベンチから試合を見ることで学べることは何でしょうか?

「試合の流れを見ること、試合のペースを見ること、チームメイトたちが何をしているかを見ること。自分が試合にインパクトを与えるために何ができるかを見ることだ。

 あとはチームの戦いから、何がうまくできているか、何がうまくいっていないかを見て、その解決策を考えること。そうすることで、試合に出る機会が巡ってきた時、どういう分野でチームを助けられるかがわかるだろう。彼は賢い選手だから、そういったことを見て判断することができる。プレーが実際に起こる前に、流れを読むことができる選手だからね。

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