東京五輪のラストピースは彼らだ。3人のBリーガーに覚醒の予感 (2ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

 オリピック出場が決まるとすれば、今季のBリーグに新たな楽しみ方が増える。それは、3年目のBリーグで覚醒し、東京オリンピックで日本代表として躍動しそうな選手を探すことだ。

 3年目の覚醒を予感させる選手として、宇都直輝(うと・なおき/PG/富山グラウジーズ)、並里成(なみざと・なりと/PG/琉球ゴールデンキングス)、金丸晃輔(かなまる・こうすけ/SG・SF/シーホース三河)の3選手の名前を挙げたい。

 宇都直輝は191cmの長身PG。現在、日本代表のPGを務めるのは167cmの富樫勇樹(千葉ジェッツ)と178cmの篠山竜青(川崎ブレイブサンダース)だが、国際大会でミスマッチは致命的になる。宇都の身長は、それだけで大きな武器だ。

 もちろん、その能力も間違いない。宇都は2季連続でBリーグのアシスト王に輝き、昨季は日本人選手最高、全体でも7位の平均17.0得点を記録している。

 宇都に覚醒の予感を感じるのは、富山グラウジーズの新ヘッドコーチ(HC)にドナルド・ベックが就任したことにある。ベックHCはJBL時代の2011-2012シーズンにトヨタ自動車アルバルクをリーグ優勝に導き、昨季までWJBLのトヨタ自動車アンテロープスを率いていた名将だ。

 トヨタ自動車時代の2年間、ベックHCは宇都を指導していた経験もある。3年ぶりの再会となる両者だが、ベックHCは宇都について、「日本人のガードとして、ちょっと違う技術を持っている。富山で会って大きな成長を遂げていると感じられた」と語っている。

 宇都のウィークポイントをあえて挙げるなら、ガードにしてはロングレンジのシュートを苦手とする点だろう。選手の個性を尊重し、長所を最大限に活かすのがベックHCのスタイルだ。ベックHCは宇都に、「修正してもらわなければいけない部分もある」とも語っている。それがロングシュートの改善なのか、それとも長身と身体能力を活かしたスラッシャータイプのガードとして特化するモデルチェンジなのか――。どちらにしても、長身PGの宇都の覚醒は、日本代表に大きな変化をもたらすはずだ。

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